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みーにゃん
20代 那珂川 女性
花粉症に対して耳鼻科で処方される薬は、内服薬と点鼻薬がメインだと思います。花粉症を含めたアレルギー性鼻炎に対する内服薬は、症状によって効きやすい薬の種類が違うというのはご存知でしょうか。くしゃみ・鼻汁がメインの場合は「抗ヒスタミン薬」(現在は、副作用の少ない第二世代がほとんど)、鼻閉(鼻詰まり)がメインの場合は「抗ロイコトリエン薬」が効きやすいと言われています。
鼻閉に対しては即効性のある「血管収縮薬」というのもあります(ただし、短期集中でのみ使用可能です)。また、「ステロイド点鼻薬」はどちらの症状にも効果があるため、これらに併せて処方される場合も多いでしょう。それぞれ、1日1回の内服で良いものや、眠気の少ないもの、効き目が早くでるものなど、色々な特徴をもった薬がたくさんありますし、新しい薬もどんどん出てきています。
一般にドラッグストアなどで販売されている薬は、多くの人に効果が出やすく、なおかつ早く効果が出るようなタイプが多いですが、一方で眠気などの副作用が出やすい成分(主に第一世代抗ヒスタミン薬)が含まれていることも多いので注意が必要です。最近はOTC医薬品として、病院で処方される薬と同じものを市販薬としても買えるようになっていて、忙しくて病院へ行けないときはとても便利です。しかし、長期になるとどうしても割高ですし、種類も限られています。
同じ花粉症でも、人によって効きやすい薬や副作用が出やすい薬は違うため、たくさんある薬の中から自分に合った薬を処方してもらえる、オーダーメイドの治療ができるのが耳鼻科の強みではないでしょうか。それから、対症療法以外の治療法(舌下免疫療法やレーザー治療など)を提案できるのも耳鼻科ならではです。市販薬で効果が出ないときや、新しい薬を試してみたいなど、気軽に相談してもらえればと思います。
ここでひとつ、注意していただきたいことがあります。市販されている点鼻薬の多くは「血管収縮薬」の成分が含まれており、血管を収縮させることで鼻粘膜の腫脹を改善し、鼻の通りを良くする効果があります。非常に強力で即効性もあるため、好んで使われている方も多いと思うのですが、使い続けることで逆に鼻粘膜が腫れてしまい、かえって鼻閉が強くなってしまう場合があり、これを「薬剤性鼻炎」と言います。そのため、血管収縮薬が含まれている点鼻薬は、どうしてもという場面で短期間集中的に使用するのは良いと思いますが、症状が続く場合は、決して市販の点鼻薬をダラダラ使い続けることはせずに、耳鼻科を受診するようにしましょう。
既に使っていて心配な方も、きちんと治療すれば良くなりますので、お気軽に当院へご相談ください!