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下記のような症状を感じたら
ご相談ください。
耳管とは、中耳から鼻の奥へ通じている管のことで、細菌やウイルスが耳管を通って中耳に入ると、中耳の粘膜に急激な炎症がおこります。かぜをひいたときなどに鼻やのどの炎症に引き続いておこることが多いです。
はげしい耳の痛み、聞こえづらさ(難聴)、発熱、耳がつまった感じがするなどの症状が出ます。炎症が強くなると、耳だれ(耳漏)が出ます。乳児などでは痛みを訴えられないので、機嫌が悪くぐずったり、しきりに耳へ手をやったりすることがあります。
耳鼻科医が鼓膜をみて、鼓膜が赤かったり、はれていることを確認します。中耳に膿がたまり、鼓膜がふくれを観察できることもあります。
治療
治療
軽症の場合は炎症を抑える薬(消炎剤)の内服で軽快します。細菌の感染が明らかである場合は、抗生物質の内服をしたり、炎症を抑える点耳薬(耳に薬液をたらすこと)を使ったりして治療します。
重症例(膿がたまり鼓膜のはれがひどいとき、痛みが強いとき、高熱が出ているときなど)では鼓膜を少しだけ切って、たまっている膿を出すと早く治ります(鼓膜切開)。急性中耳炎を何度もくり返す場合(反復性中耳炎)には、何回も鼓膜切開が行われることもあります。鼓膜は切っても通常数日でふさがるので、多くの場合心配ありません。最近では、抗生物質に対して抵抗力を持つ細菌(薬剤耐性菌)が原因の急性中耳炎もあり、抗生物質の使い方に注意が必要となっています。きちんと治療を行えば、たいていは完治します。しかし途中で治療中断してしまうと、滲出性中耳炎、反復性中耳炎や慢性中耳炎に移行してしまうことがあります。
耳鼻咽喉科で完全に治ったといわれるまで通院し、きちんと治療をうけることが大切です。
耳管(鼻の奧と中耳をつなぐ管で、中耳を換気する役目)を通って中耳腔内に細菌が入ると、中耳腔の細胞内から炎症性の水が滲み出てきます(=滲出液)。滲出性中耳炎は、鼓膜の奥にある中耳腔という空間に、この滲出液という液体がたまる病気です。幼少児の難聴の原因として最も多い疾患で、言語の発達する4~5歳から小学校の低学年に多く、また、何度も繰り返し治りにくいことも多く問題となっております。
中耳粘膜の炎症や耳管の障害によって起こります。風邪や急性中耳炎の後に起こることがほとんどで、幼少児ではアデノイドが大きいために起こることもあります。一方、成人では鼻や上咽頭の腫瘍が原因のことが稀にあり注意が必要です。アデノイドが大きい場合と同様にアレルギー性鼻炎なのど鼻の病気があっても、耳管の働きが悪くなり滲出性中耳炎になりやすくなります。
耳管は鼓膜の奥にある中耳と鼻の奥(のどちんこの裏辺り)をつなぐ管で、普段は閉鎖しており、つばを飲み込んだ時に開き空気が出入りして中耳の気圧を調節します。また、中耳にたまった液を排出する働きがあります。鼻やのどの炎症が耳管に及ぶとこれらの働きが悪くなり、鼓膜が内側に引っ張られて陥凹したり、中耳に滲出液がたまったりします。大人に比べて小児では耳管の角度が水平に近く耳管の長さも大人に比べて太く短いため、ウイルスや菌が侵入しやすく、滲出性中耳炎になりやすい構造となっています。
成人では耳がふさがった感じや圧迫感、難聴や耳鳴、自分の声が響くなどの症状を訴えます。一方、耳痛や発熱などはほとんど無いため、この疾患が最も多い4歳から7歳位までの小さなこどもの場合は自分から異常を訴えることが少なく、また、難聴があまり高度ではないために周囲も気付かないことが少なくありません。テレビの音を大きくする・呼んでも返事をしない・あるいは、あまりしゃべらなくなったとかで、初めて周囲が気付くことも多いです。
お子さまの場合、聞こえが悪いという症状をうまく言い表せないこともあります。そのため以下のような症状が見られる場合には滲出性中耳炎である可能性があり注意が必要です。
❶ テレビの音が大きい ❷ 大きな声で話をする ❸ 呼んでも振り向かず返事をしない ❹ 耳がふさがった感じがする ❺ 風邪をひいたあとに聞きにくそうである ❻ 耳によく手をやる ❼ 鼻炎や風邪が長引いて鼻をよくすすっている
鼓膜の観察とティンパノメトリー検査(鼓膜の動きやすさを調べる検査)を行うことによって診断がつきます。難聴の程度を正確に知るためには聴力検査が必要になります。
治療
治療
小児の滲出性中耳炎であれば、発症から3ヶ月以内であれば自然治癒も期待できます。
鼻・副鼻腔やのどに炎症などの疾患がある場合には、それを一緒に治すことが大切です。鼻やのどの炎症がおさまると滲出性中耳炎も自然に治る場合が多々あります。それでも、良くならない場合や重症の場合には、耳管通気療法(鼻・耳管を通じて中耳腔に空気を送る治療法)や鼓膜切開しての鼓室処置(鼓膜を麻酔して痛みを感じないようにしてから鼓膜を切開し、中耳腔の液を吸引除去)を行います。
また、なかなか治りにくい場合や繰り返し発症する場合、慢性中耳炎になりそうな重症の場合では、鼓膜にチューブを入れて中耳を換気するための手術(鼓膜換気チューブ留置術)を行います。入れたチューブは、特殊なタイプ以外は自然に外耳道側に押し出されます。そのため、難治性の場合には何度もチューブを入れないといけない場合があります。何度も再発したり、なかなか治りにくい場合もありますが、根気よく治療を受けることが大切です。
小学校の入学までに、約60~70%の子どもが一度は急性中耳炎にかかるといわれています。
とくに3歳以下の子どもに多いのは、
などの理由があげられます。
胎盤を介し母体から受け継いだ免疫が生後6か月頃に最低値となり、生後24か月まで低免疫状態が続きます。また、離乳の時期も重なり母乳を介した免疫能も期待できなくなります。さらに2歳未満の中耳炎の原因菌は薬剤耐性菌が多く、抗菌薬で除菌されにくいのです。欧米の報告では生後1歳までに70%、生後3歳までに83%が少なくとも1回は罹患します。この時期を乗り越えて3歳になると罹患率はグッと減少するので、そこまで一緒に頑張りましょう!