中咽頭癌
中咽頭癌について
お盆に父方のお墓参りをしてきたんですが、頭がクラクラするような暑さでした。最近の夏はほんと尋常じゃないですよね入院したくなければ、外出時のこまめな水分補給はマストです。こんななか那珂川、春日、大野城、南区、早良区の小中学校はもう始まっており生徒の水分補給をどう管理するのか、大変な課題と思います。さて、今回は前々回のブログで取り上げた中咽頭癌についてお話したいと思います。
中咽頭とは口を大きくあけた時に見える奥の部分を指し、解剖学的には側壁(扁桃腺があるところ)、前壁(舌の付け根)、後壁(その名の通り突き当たりの壁)、上壁(所謂、のどちんこ付近)に分類されます。
横からみると、
この中咽頭にできる癌を中咽頭癌と呼びます。症状はのどの痛みや違和感、食事のつかえ、首の腫れなどがあります。
長期の大量飲酒や喫煙、口腔状態の不衛生などが原因とされており、実際にそういう患者さんが多くを占めます。しかし、お酒もたばこも一切やらないのに中咽頭癌に罹患する方がいらっしゃるのが頭頸部癌における???だったのです。それがなんと、HPV(ヒトパピローマウイルス)感染により癌を引き起こすことが分かりました。
特に中咽頭癌の場合、16型のタイプのHPVが強く癌発症に関与していることが分かっています。子宮頸癌の場合は16型、18型の2種類のHPVが強く関与しています。(それ以外の型のHPVからもあるので今回9価のワクチンが子宮頸癌予防に対して承認となっています。)
16型HPVの感染は中咽頭癌にも子宮頸癌にも共通しています。ここでピンときた方は、「HPVは性的接触で感染すること」、「HPVが中咽頭癌の原因にもなりうる」のであれば男性にもHPVワクチンを接種してよいのではないか??とお考えになると思います。
実はその通りで、男性にもワクチン接種を推奨している国も少なくありません。ただ残念ながら日本においては中咽頭癌予防のためにHPVワクチンを打つことや、男性への投与は保険適応ではありません。しかし自費診療という形で接種は可能です。
現在のところHPVワクチン接種で100%癌を予防できるわけではなく(例えば子宮頸癌の場合だと3割程度はHPV以外が原因です)、またすでにウイルスが定着して前癌状態になってしまっている場合には効果がありません。ですから早期のワクチン接種(ただし45歳までは投与に効果が見られる)に加え、定期的な子宮癌検診による早期発見が重要である事を補足しておきます。
残念ながら中咽頭癌には定期検診がありませんので、上に書いたような症状がある場合には早めに受診してくださいね😌
月別
- 2024年11月 (1)
- 2024年9月 (2)
- 2024年8月 (1)
- 2024年7月 (1)
- 2024年6月 (1)
- 2024年4月 (2)
- 2024年3月 (1)
- 2024年1月 (1)
- 2023年12月 (2)
- 2023年11月 (1)
- 2023年8月 (1)
- 2023年7月 (1)
- 2023年3月 (2)
- 2023年1月 (2)
- 2022年9月 (1)
- 2022年7月 (1)
- 2022年6月 (1)
- 2022年4月 (1)
- 2022年2月 (1)
- 2021年11月 (1)
- 2021年10月 (1)
- 2021年9月 (1)
- 2021年7月 (1)
- 2021年6月 (1)
- 2021年5月 (1)
- 2021年3月 (2)
- 2021年2月 (1)
- 2021年1月 (2)
- 2020年11月 (2)
- 2020年10月 (1)
- 2020年8月 (2)
- 2020年7月 (2)
- 2020年6月 (2)
- 2020年5月 (1)
- 2020年4月 (1)
- 2020年3月 (2)
- 2020年2月 (1)
- 2020年1月 (3)
- 2019年11月 (1)
- 2019年10月 (1)
- 2019年9月 (1)
- 2019年8月 (1)
- 2019年7月 (2)
- 2019年6月 (2)
- 2019年5月 (3)
- 2019年4月 (1)
- 2019年3月 (1)
- 2019年2月 (3)
- 2019年1月 (2)
- 2018年12月 (3)
- 2018年8月 (2)
- 2018年7月 (4)
- 2018年6月 (2)